How Can Practice and Research Walk Together: Considered from Practitionar and Reseracher Perspects
6月18日1500-1630@セミナールームC
徳田真彦(大阪体育大学/WEAJ 理事)
野外教育は、自然の中での体験を通じて、子どもや若者の成長を支える教育実践として、多くの現場で展開されてきました。実践の中では、参加者の表情の変化や関わり合いから、大きな学びや成長が感じられる場面がたびたびあります。一方で、そうした「実感」を、理論的・客観的に示すこと、その価値を言語化し第三者に伝えることは必ずしも簡単ではありません。一方、大学や研究機関では、野外教育の効果や意義を理論的に探究する試みが続けられてきました。ところが、そうした研究の成果が実践の現場に届かない、あるいは現場の声が研究に反映されにくいといった、実践と研究の“ ずれ” や“ すれ違い” が指摘され続けています。実践と研究が互いに十分に機能し合っていないことは、野外教育の社会的認知や制度的整備を進める上でも大きな障壁となっています。このように、実践と研究のあいだには「価値観の違い」が存在しており、両者の距離が縮まりにくいのが現状です。本ワークショップでは、「実践と研究は一緒に歩むことができるのか?」という問いをもとに、実践者と研究者のあいだにあるギャップを見つめ直します。そして、両者がより深くつながっていくためには、どのような工夫や仕組みが必要なのかを考えます。現場の問いから始めるアクションリサーチや、実践者と研究者が対等なパートナーとして協働する取り組みなどを紹介しながら、どうすれば一緒に歩んでいけるのかポイントを探ります。現場と研究がつながることで、野外教育がより豊かに展開していく未来を、参加者の皆さんと共に描ければと思います。
【野外教育学研究法に載せられている野外教育研究における4 つの課題】
①野外教育を社会に認知してもらうために野外教育の概念や対象領域に関する研究が必要であ
る。
②研究主体が体育分野に偏っているため、複合領域としての特性に基づき、関連分野と連携した研究が必要である。
③自然学校に代表される社会教育における野外教育の実践は様々な広がりを見せている。ここでの研究課題を明確にするとともに、実践と結合した研究の推進が必要である。
④生涯学習社会、高齢化社会における野外教育のあり方についても研究していく必要がある。